印鑑証明書(印鑑登録証明書)の取り方は?窓口・コンビニ・代理人での取得方法を解説

「印鑑証明書を用意してください」と言われ、取得しようと思った際に、実印そのものを持って役所に行けばいいと思っている方もいらっしゃるようです。

実印そのものを窓口に持って行っても、印鑑証明書は取れません。

必要なのは、印鑑登録のときに交付された「印鑑登録証(カード)」です。コンビニで取る場合はマイナンバーカードを使います。

この記事では、印鑑証明書の取り方を、窓口・コンビニ・代理人による取得まで、書類実務を専門とする行政書士が解説します。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。印鑑登録や改印の取り扱いは市区町村により、届出印の変更手続きは金融機関により異なります。実際のお手続きの際は、必ず各窓口の案内をご確認ください。本記事の情報に基づく判断・行動により生じた損害について、当サイトは責任を負いかねます。

印鑑証明書とは——実印とセットで機能する書類

印鑑証明書の正式名称は「印鑑登録証明書」です。

市区町村に登録された印鑑(実印)の印影を公的に証明する書類で、契約書に押された実印の印影とこの証明書を突き合わせることで、「確かに本人の実印で押された」ことを確認する仕組みです。

つまり、実印は印鑑証明書とセットになってはじめて意味を持ちます。実印・印鑑登録のしくみは、こちらの記事で解説しています。

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なお、印鑑証明書が取れるのは、印鑑登録が済んでいる人だけです。まだの方は、先に印鑑登録が必要です(登録のやり方は別記事で解説しています)。

取得に使うのは「実印」ではなく「カード」

冒頭で記載したとおり、印鑑証明書取得で必要なのは、印鑑カードあるいはマイナンバーカードとなります。

※自治体により異なる場合があります。また、時代の流れ等により変更となる場合もあります。
  • 実印そのもの:持参不要。持って行っても、実印だけでは証明書は交付されません
  • 印鑑登録証(カード):窓口での取得に必須。カードがなければ交付されないのが原則です
  • マイナンバーカード:コンビニ交付で使用(対応自治体のみ)

役所は「実印の現物」ではなく「カードの提示」で交付の可否を判断します。

カードが必要なことを覚えておいてください。

窓口で印鑑証明書を取る方法——印鑑登録証(カード)を持参

役所の窓口で印鑑証明書を取得するのはもっともスタンダードな方法です。

必要なもの

  • 印鑑登録証(カード)
  • 交付手数料(自治体により異なります。1通200〜400円程度が目安)
  • 窓口で交付申請書に記入(証明書の対象となる人の住所・氏名・生年月日を正確に書く必要があります)

窓口は、住民登録をしている市区町村の役所・出張所などです。開庁時間は平日の日中が基本で、休日開庁の有無は自治体によります。

代理人でも取得可能——委任状は不要な場合が多い

意外かもしれませんが、印鑑証明書は代理人でも、委任状なしで取得できるのが一般的な取り扱いです。

本人からカードを預かった代理人が、カードを提示し、申請書に本人の住所・氏名・生年月日を正確に記入できれば交付されます(代理人自身の本人確認書類の提示を求める自治体もあります)。

これは裏を返すと、カードを持っている人は誰でも印鑑証明書に手が届くということでもあります。家族に取得を頼めて便利な反面、カードの管理を軽く考えてはいけない理由がここにあります。実印とカードを別々に保管すべきとよく言われますが、リスクの観点からまさに気を付けたいところです。

なお、マイナンバーカードを使って窓口で請求する方式の自治体では、暗証番号の入力が必要なため本人しか請求できない、といった取り扱いがあります。

代理人に頼む場合は、印鑑登録証(カード)を預ける方法が基本と考えてください。

コンビニで印鑑証明書を取得する方法——マイナンバーカード+暗証番号

マイナンバーカードをお持ちで、お住まいの自治体がコンビニ交付に対応していれば、コンビニのマルチコピー機で取得できます。

必要なもの

  • マイナンバーカード(利用者証明用電子証明書が搭載されたもの)
  • 暗証番号(数字4桁)

このとき印鑑登録証(カード)は使いません。マルチコピー機にマイナンバーカードをかざし、暗証番号を入力して発行します。

コンビニ交付の利点は2つあります。

  • 時間:おおむね早朝から夜まで利用でき、役所の閉庁後や土日でも取得できます(利用時間・休止日は自治体・店舗によります)
  • 手数料:窓口より安く設定している自治体が少なくありません

一方で注意点もあります。

  • 暗証番号を3回連続で間違えるとロックされ、解除には役所での手続きが必要になります
  • コンビニ交付は本人の利用が前提です(暗証番号を他人に教えてはいけません)
  • スマートフォンに搭載した電子証明書(スマホ用電子証明書)では印鑑証明書を取得できない取り扱いの自治体もあります

郵送では印鑑証明書は取得できない?——住民票との違い

住民票の写しは郵送で請求できますが、個人の印鑑証明書は郵送請求が原則できません

印鑑証明書の交付は「カードの提示」を本人確認の柱にしているため、郵送とは仕組みが噛み合わないからです。

遠方に住む親の印鑑証明書が相続で必要、といった場面では、親本人に窓口かコンビニで取ってもらうか、カードを預かった人が窓口で代理取得することになります。

印鑑証明書の有効期限——書類に期限はないが「3か月以内」が定番

印鑑証明書そのものに、法律上の有効期限はありません。

ただし、提出先が「発行後3か月以内のもの」といった条件を付けるのが実務の定番です。たとえば不動産の登記申請では発行後3か月以内の印鑑証明書が求められますし、自動車の登録や金融機関の手続きでも同様の期限指定が一般的です。

だからこそ、先回りして取り置きするのは逆効果です。手続きの日程が決まってから、提出先の条件を確認し、必要な通数だけ取得するのが正解です。

また、印鑑証明書は実印の印影という重要情報が載った書類です。使わなかった分を放置せず、不要になったらシュレッダー等で確実に処分してください。

【注意】「会社の印鑑証明書」は市役所では取れない

実務でよくある勘違いをひとつ。

会社の代表者印(法人実印)の印鑑証明書は、市区町村ではなく法務局で取得します。個人の実印は市区町村、会社の実印は法務局——登録先も証明書の発行元も別の制度です。

「会社設立の手続きで印鑑証明書が2種類必要と言われた」という場合、発起人個人のものは市区町村で、会社のものは(設立登記後に)法務局で、と取得先が分かれます。

市役所の窓口で「法人の印鑑証明書をください」と言っても発行できませんので、ご注意ください。

なお、法人の印鑑証明書はオンラインで取得請求ができます。

コンビニで印鑑証明書が取れないときのチェックリスト

「コンビニで取ろうとしたらエラーになった」というときは、次の順に確認してください。

  1. 自治体が対応しているか——コンビニ交付は全自治体で使えるわけではありません
  2. 利用時間内か——早朝・深夜やメンテナンス日は利用できません
  3. 暗証番号のロック——3回連続ミスでロックされます。解除は役所窓口で
  4. 電子証明書の有効期限切れ——マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書には有効期限(発行から5回目の誕生日)があります。期限切れなら役所で更新を
  5. そもそも印鑑登録をしているか——登録がなければ証明書は存在しません

対応地域はかなり広がっているかと思いますが、全国すべての自治体ということではありませんので注意が必要です。

印鑑証明書取得に関するよくある疑問

Q. 実印を持って行けば印鑑証明書は取れますか?

取れません。窓口で必要なのは印鑑登録証(カード)です。

Q. 家族が代わりに取りに行けますか?

カードを預ければ、委任状なしで取得できるのが一般的です。ただし申請書に本人の住所・氏名・生年月日を正確に記入する必要があるため、メモを持たせてあげてください。

Q. 何枚でも取れますか?

枚数の制限は基本的にありませんが、1通ごとに手数料がかかりますし、実印の印影が載った書類を余らせるのは防犯上も好ましくありません。必要な通数だけ取りましょう。

Q. 印鑑登録証(カード)をなくしました。証明書はどうなりますか?

カードがないと窓口交付は受けられません。すぐに市区町村へ亡失の届出をして、自治体の案内に従ってカードの再交付(登録のやり直しを求める自治体もあります)の手続きをしてください。悪用防止のため、放置は禁物です。

Q. マイナンバーカードがあれば印鑑登録証は不要ですか?

コンビニ交付を使う限りは出番がありませんが、窓口での交付や、コンビニ交付非対応の場面ではカードが必要です。マイナンバーカードを印鑑登録証として利用する仕組みに移行した自治体もあり、このあたりの取り扱いは市区町村によって差があります。

まとめ——印鑑証明書の鍵は実印そのものではなくカード

  • 印鑑証明書(印鑑登録証明書)は、実印ではなく印鑑登録証(カード) で取得する。実印の持参は不要
  • コンビニ交付はマイナンバーカード+暗証番号4桁。時間の融通が利き、手数料が安い自治体もある
  • 代理人はカードを預かれば委任状不要で取得できるのが一般的——だからこそカードの保管は実印と同レベルで慎重に
  • 郵送請求は原則不可。有効期限は書類自体にはないが、提出先の「3か月以内」指定が定番
  • 会社の印鑑証明書は法務局。市区町村で取れるのは個人のものだけ

印鑑証明書は、あなたの実印に公的な力を与える最後のピースです。

取り方そのものは簡単ですが、「カードが鍵である」という仕組みを理解しておくと、重要性とリスクがしっかり認識できるでしょう。

カードの取扱いにはくれぐれもご注意ください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。印鑑登録証明書の交付方法・手数料・コンビニ交付の対応状況などの取り扱いは、市区町村や時期により異なります。実際のお手続きの際は、必ずお住まいの自治体の公式情報をご確認ください。本記事の情報に基づく判断・行動により生じた損害について、当サイトは責任を負いかねます。

執筆者情報

樋口智大(行政書士)

アロー行政書士事務所の行政書士。
ドローン飛行許可申請や酒類販売業免許申請、古物商許可申請等の許認可取得のサポートをしています。
行政書士になってから紙・電子含めて印鑑と向き合う機会が増えました。また、酒類販売業免許をやっていると海外取引に触れる機会も多いことから、印鑑文化が海外では通用しないこと(サインが基本等)など、印に対するさまざまな経験をしたことにより、逆に興味を持つようになり、このような印鑑に関するブログを運営しております。歴史な好きなこともあり、家紋についても解説しております。